屋台の竜二さん 第6話

屋台の竜二さん 第6話
？「だから豆腐は体に良いのだよ。」
竜二「は、はぁ…。」
先ほどから冷ややっこだけを頼んで
2時間ほどマシンガントークをしている
このカッパさんはスマートさん、
とにかく体作りに余念がないらしい。

スマート「だからしてつまみやお酒は
体に非常に良くないのだよ、わかるかね？」
竜二「はぁ…。」
この方は飲み屋屋台に来て
なにを言っているんだろうか…？
などと考えていると
背後から凄まじい怒気を感じた。
恐る恐る後ろを見ると、
今にもスマートさんに手裏剣を投げつけん
ばかりのピンク忍者が目に入った。
竜二(まっまずい！)
今までお客さんに危害を加える事は
なかったので注意しなかったが、
さすがにまずい！
注意しようとしたその時、
スマートさん「すまなかったね。」
竜二「へっ？」
スマートさんが突然謝ってきた。
竜二「あ、あの…。」
スマートさん「君の商売を否定したくて
食べに来たわけではないんだ。
ただ君が話を良く聞いてくれるので
ついつい調子に乗ってしまった。
申し訳ないm(_ _)m」
竜二「い、いえ…」
スマートさん「そこのくノ一ちゃんにも
謝っておいてくれ。
では。」
竜二「あの…！」
スマート「うん？」
竜二「…またのお越しをお待ちしております。」
スマート「…ありがとう。」 スマートさんが帰った後、
私は後ろを振り返らず、彼女に話しかけた。
竜二「お客さんに手裏剣投げるような事は
しないでくれよ。」
くノ一「…。」
竜二「それと…。」
くノ一「…？」
竜二「ありがとうな、
私の為に怒ってくれて。」
くノ一「⁉︎」
ド〜ン！

後ろで煙幕の爆発する音がした。
振り返ると彼女はもういなくなっていた。
竜二「…また明日な。」
私はそうつぶやくと仕事に戻った。